僕が持つ唯一のオールドレンズ。Leitz Summarex 8.5cm F1.5。
戦時中に偵察用として利用されていたレンズらしく、夜でも撮れるよう無理やりF1.5という当時としては非常に明るいレンズに仕上げたのだろうレンズで、開放で撮ると白い幕が前に下がっているかの如く、ポワポワな描写になる超曲者レンズである。

1960年まで生産されていたレンズらしいので、僕よりもひと回り以上歳上になるのだが、僕が持っている個体は若干のチリは入っているものの、比較的綺麗なレンズで、今も普通に撮ることができる。

そして、85mmという画角は、僕が使うLeica M Monochromeのレンジファインダーで見ると非常に小さく。しかも開放がF1.5とピント面が非常に薄いので、LVで拡大表示をしない限り、狙ったところにピントが合うことはほぼない。せっかくなので、LVを使えば良いのだけれど、LVを使うとLeicaの意味がない気がして、今は細かなピン位置等は気にせず、ざっくりピントで使用することにしている。

ちなみに、上記写真は一段絞ったF2で撮っているのだが、一段絞るだけでポワポワは無くなり、結構シャープな描写になるから不思議なレンズだ。
シャープと言っても、現代のレンズのようなシャープさというより、少しフンワリ感のあるシャープさなので、これはこれで気に入っているのだけれど、85mmだから!と思ってポートレートなどで利用すると、ピン位置の問題で痛い目を見るので、僕はポートレートでこのレンズは使用しない。


こんな感じで街をザクザク切り取ると、面白い絵が撮れるし、今日はどんよりとした雲の暑い冬空だったので、このポワポワ感が余計に映える。


レンズ自体が重く、利用頻度が低かったので、何度か売却を考えたこのレンズ。
今日使って初めて気が付いたのだが、夜の街をアンダーめに撮ると、不思議な雰囲気が出て面白いかもしれない。
売らなくてよかったかも。w