Leica M10を購入した理由

来ました!Leica M10。
僕としては初のLeica カラーデジタル機!

正直、Leicaのカラーデジタル機に対してはあまり良い印象を持っていませんでした。
一部のレンズを除き殆どのレンズは最短距離が長く料理などを寄り気味で撮ることが出来ないし、レンジファインダーで動きのあるものを撮るのはどう考えても厳しいし。センサーに関しても単純なスペックでSONY αシリーズなどと比べると時代遅れな感じが否めないし、Leicaのレンズを使いたければSONY αシリーズで事足りる。そして何と言っても価格が高すぎる!そんな僕がなぜ、Leica M10を購入したかを書き留めておきます。

Leica M10, Leica Summilix-M 50mm F1.4

1.Leica M10のレンジファインダーでしか撮れない写真がある。

レンジファインダーはその構造上、パララックス(視差)が起こり、ファインダーで見た像と実際にとれる像とが変わってきます。
そのためしっかりとセンターを合わせ、水平・垂直をとったピシッとした写真を撮ろうと想うと、微妙にズレるためイライラします。w

逆に、一眼レフカメラやミラーレス一眼のようなカメラの場合、ファインダーで見た像をそのまま写真として撮ることが出来ますし、最近のデジカメであればデジタル水平器やガイドラインを表示させる事が出来るため、比較的容易にピシッとした写真を撮ることができます。
ですが。写真はしっかりとセンターが合っていて、水平・垂直がとれていて、ピントもバッチリな物が必ずしも良い写真なのでしょうか?
高性能なデジタルカメラが増えたお陰で、世の中にはそういったピシッとした写真が溢れています。ここ数年、若者たちを中心に「写ルンです」を始めとした、コンパクトフィルムカメラが流行っていますが、それらのカメラは撮る時の予想を超えた?外した?アジのある?などなど色々な言い方や捉え方があるかと思います。

レンジファインダーは色々とずれるからこそ、細かいことを気にせず気に入った構図でサクサク撮ることができる!これって些細なことな様で、すごく大きな違いだと思うんです。例えば、ナビ付きの車でナビを無視して景色の良い道を走る事が少ない様に、カメラに曲がっていると言われれば自然と正したくなりますよね。
(水平器を非表示にすれば良い事ですが…。あくまで例えです。)

最近のEVFは本当によく出来ていて、α9などは視野角も広いし明るいし、タイムラグも殆どありません。それに何と言っても設定された露出値のままファインダーで見ることが出来るのは本当に便利です。なのでSONY α9は今後もつかっていく予定ですし、ポートレートと撮るときなどはα9であれば、ピントのことなど気にせずモデルさんの表情やタイミングに集中する事ができます。
僕がLeica M10で撮ろうと思っているのは、α9などで撮るような事前に撮るものを考えた上での写真ではなく、普段の日常のなかで気になる空気感とか、雰囲気をそのまま撮りたいと思っているので、デジタルを通さずに見ることの出来るレンジファインダーが最適なのです。

ちなみに、M Monochrome(240系)からファインダーが少し変更され、視野角が30%広がりアイレリーフも大きくなったため、明るくなった気がします。

Leica M10, Leica Summilix-M 50mm F1.4

2.色補正では出せないLeica M10の色味。

僕はかれこれ20年以上、仕事でPhotoshopを利用しています。最近は減りましたが昔は写真の補正などもよくやりました。そのため写真補正に関してはそれなりの自信を持っているのですが、カメラメーカー別のセンサーが持つ色味を合わせるのは本当に苦労します。例えベースが同じSONY製だとしても、詳しくは知りませんが設定が異なるため、メーカー毎に色味の特色があります。
稀にいろいろなカメラで撮った写真の色味を合わせて欲しいという依頼があったりするのですが、これ本当に大変で、写真にはプロのレタッチャーという職業がありますが、要するにプロが存在するくらい難しいわけです。もちろんレタッチの経験と技術さえあれば、メーカー別の色味の違いなどわからないくらいに合わせる事ができるのかもしれませんが、僕は毎回そこに時間を費やすよりも、好みの機材を購入した方が無駄がないと思い、一番好みの色が出るだろうLeica M10にする事にしました。

Leica M10, Leica Summilix-M 50mm F1.4

3.Leicaがカッコイイから!w

実は。これが一番大切な要素だと思っています。
僕は車が好きで、最初に自分で買った PEUGEOT 106 S16以降、色々な国の車を乗ってきました。
国別の推移で見ると、フランス、イギリス、ドイツ、ドイツ、ドイツで今はイギリスのLANDROVER Discoveryに乗っているのですが、Discovery購入する時には、国産メーカーの車も候補として検討し、色々な車種の試乗をしました。
車を選ぶのにまず気になるのが予算と使い勝手かと思いますが、僕の場は愛車でドライブすることが一番のストレス解消だったりするので、選定の優先度は1.使い勝手(娘が生まれたので。w)、2.ドライブフィール(運転した感じですね)、3.内外装のデザインで選定し、重量が重いからこそ得られる乗った感じのしっとり感と、後部座席が運転席よりも少し高くなっていて、家族が景色を楽しみやすいことに惹かれ LANDROVER Discovery を選ぶに至りました。

最近の車は燃費をよくするために、かなり軽量化されている中、僕が購入したLANDROVER Discovery(4代目 Discoveryで今の1つ前のモデルの最終型)は、基本的設計が2004年から変わっていないため、時代遅れな感じに重く、同クラスのAUDI A7が1,900kgなのに対して、2,550kgもあります。w
スポーツカーであれば、重量が重くて良いことは1つもありません。でもSUVとして考えた時、燃費さえ考えなければ重量が重いことでシットリとした乗り心地を得られ、車酔いしやすい嫁も気持ちよくドライブに付き合ってくれます!w

内外装のデザインはイギリスの車らしく、あっさりと直線的でMercedesのGクラスのように無骨すぎもせず、質実剛健感があるなかで真面目すぎない感じと、最終モデルの限定車として出された、ザンジバルというゴールドのような茶色のようなオレンジのような何とも言えない色味が気に入りました。最近の日本車のデザインとかホント苦手でして、なんでもかんでも流線型にすれば良いってもんじゃないでしょ。

そんな僕的に、Leicaは素晴らしくカッコよく。Leicaはアクセサリーもしくはインテリアとしての置物だと言われたりもしますが、それで何が悪いのだろうと思っています。スマートフォンの次くらいに何時も持ち歩くカメラがカッコイイ!これ大事でしょ。カッコイイと思えるからこそ持ち歩く頻度が上がり、撮影のチャンスも増える。実はこれが写真を撮る上で一番大事な要素ですよね。

重量もSONY α7シリーズが599gなのに対して、LEICA M10は660gもあります。その上α7シリーズのように手で持ちやすいようなグリップ形式ではない、伝統のスルッとしたデザインになっているため、持ちにくく余計に重量感を感じます。正直カメラは軽いほうが良い気がしますが、その代わりに持った感じや各部の剛性感は素晴らしく「機械です!」と大きな声で主張くるので、所有する事の満足感をかなり満たしてくれます。

まとめ

Leicaのカメラは不満を上げれば色々とありますが、不満があるからこそ通常以上の利点もあるわけで、これからの時代平均値的な優等生よりも、何かに優れている偏った物や人の方が求められるのではかいかと僕はおもいます。
ちなみに、得るものがあれば失うものもあるわけで、購入にあたり色々な機材を下取りに出しました。涙

Takahiro Taguchi

Creative Director 群馬県生まれ、千葉県在住。広告代理店、ITベンチャー企業での勤務を経て独立。現在はソーシャルメディアコンサルタントとして、日本の中小企業を世界に広める活動を行う