うちには3歳の娘が徒競走の練習をするにも十分な長いベランダがある。
そのベランダは東京湾に面しているため、うちのベランダから見る空はとても広い。

家で仕事をする事が増え、ほぼ毎日夕日の落ちる時間帯は家にいるわけで、西日が仕事部屋に入ってくると、つい「今日はどんな夕陽だろう」と空を見ているうちに気づいた事がある。

休みの日や旅行でたまに見る夕陽はとても綺麗でそれを見ながら過ごす時間をとても有意義に感じるけれど、毎日のように見る夕陽はそれとは違った気づきがある。
ある日は、直線距離で約140km先にある富士山の姿がくっきりと見え。
ある日は、東京湾の対岸にある都心の上にホイップクリームのような厚い雲が乗り。
またある日は、大気がグレーに濁り水平線と空とが溶け合っている日もある。
陽の落ちる時間は日に日に変化し、雲の形も、色の変化具合も、大気の透明感も全てが刻々と変わっていく。
夕暮れ時に日課のように空を眺めていると、一瞬で過ぎ去ってしまう美しい光景の尊さと、都心のスケールを遥かに超える自然の壮大さに圧倒され、空を見ることが楽しみとなり、そんな空の様子を見続け半年が過ぎた今も全く飽きることはない。
