カメラバッグを作りに広州へ

今や世界のバッグの六割は広州でつくってるんだそうです。
現地の方の話なので、正確な値ではないとおもいますが、それを鑑みてもかなりの割合を作ってるのだと思います。
tokyo grapher でもカメラバッグを作ろうと計画しているので、工場を視察しに広州へ行ってきました。

Leica M10, Carl Zeiss Distagon T* 1.4/35 ZM

広州だけで人口は日本と変わらない1億数千万人もいる場所なので、バッグ工場などがある場所は広州タワーなどがある市街地からは離れた場所にあります。

Leica M10, Carl Zeiss Distagon T* 1.4/35 ZM

広州市街地から約一時間。
いまやETCも完備されている中国の高速道路は、以前のように荒い運転をする人もすくなく、十数年前に訪れた時からの発展を感じます。

バッグ工場が立ち並ぶエリア.1
バッグ工場が立ち並ぶエリア.2
バッグ工場
バッグ工場

広州市街地は先進国感感じますが、1時間走っただけでこの変わりよう。
先進国的な文化的要素と、発展途上国どくとくの活気が両立しているこの国はやはりスゴイですね。
もともと日本のブランドでカメラバッグを生産していた企業にお勤めされていた方のご紹介で、いくつかの工場を視察しましたが、日本の工場よりも設備投資し効率的に生産している工場から、一点一点を手作業でパターン(型紙)を引きアナログに作る昔ながらの工場まで、色々な種類の工場があります。

生産性と人員数という面で見れば、圧倒的に強い中国。
ITの活用度合いも進んでいて、スマートフォンを持っていない人はほぼいないそうです。
日本の流れとしては 1.固定電話 → 2.ガラケー → 3.スマホ の流れで通信機器を変えてきたのが一般的だと思いますが、中国の地方部では固定電話がない家も多かったため、最初の通信機器がスマホの方も少なくないそうです。

工場の床

問題が無いわけではなく。設備投資の進んでいる工場の床もこの様な感じなので、細かな品質を求めるのは違いそうですね。
検品の仕組みがいくら整っていても、縫製製品のばあい結局つくるのは人間です。この床を見ても今はまだ品質よりも生産性を求めている事がわかってくるのかと思います。

広州の牛肉料理レストラン
レストランで出る1664
中国製のビール

一つビックリしたのが工場が立ち並ぶエリアにあるレストラン。
外国人向けなのかと思っていたけれど、来ている客は現地の人が多く、店内も清潔で雰囲気も良い。
メニューもスペイン産の生ハムやフランス産のビール等日本人が訪れても充実していると感じる内容で、こういうところに拘りを求め始めたと言うことは、品質云々と日本が高を括っていられるのもあと数年なのかもしれないという危機感を感じました。

バッグに関しては、パターンや細かな製造仕様を日本で作りその上で生産を依頼させていただくか、日本を含めた他国の工場で生産するか生産数でも変わってきそうですが、悩ましいところですね。

Takahiro Taguchi

Creative Director 群馬県生まれ、千葉県在住。広告代理店、ITベンチャー企業での勤務を経て独立。現在はソーシャルメディアコンサルタントとして、日本の中小企業を世界に広める活動を行う